保存方法でこんな風に表記してあることがありますよね。
「光のあたらない湿気の少ない冷暗所で保存してください」
「冷暗所」とは?
「冷暗所」ってどれくらい冷たくて暗いところ?
「冷暗所」の温度は?
冷暗所保存についてひもといていきます。
冷暗所保存とは?
書いて字のごとく…のような冷暗所ですが…。
冷暗所とは? 冷暗所の定義
冷暗所の定義はこれです。
冷暗所…14℃以下の風通しのよい 直射日光の当たらない場所。
そこに手を置くとひんやりとした感覚の場所、という感じ…。
常温保存の温度は15~25℃。
常温保存の環境より、かなり寒々しい温度です。
食品や食材によっては、常温での保存は品質が劣化しやすく、常温では長く保存が効かないものは冷暗所保存となるようです。
冷暗所になり得る場所/3か所+α
「冷暗所になり得るところ」としたのは、建物やご家庭の状況により、温度や湿度が一定しない場合があるためです。
冷暗所になり得るところは3か所+α
- 冷蔵庫(野菜室含む)
- キッチン上部・コンロ下の収納スペース
- 玄関
- その他:常に14℃以下の風通しのよい 直射日光の当たらない場所
① 冷蔵庫
冷蔵庫は常に温度が1~5℃くらいに保たれています。そして、冷蔵庫が閉まっているときは真っ暗なので、冷蔵庫もよく「冷暗所」と言われます。
反面、冷蔵庫は扉の開け閉めが多いので、温度の変化が多く「冷暗所」の定義である「温度が低く一定に保たれた場所」とはちょっと違うのではないか?という意見もあります。
冷蔵庫、普段開け閉めは多くても、夏場は冷蔵庫を冷暗所として活用。
冷蔵庫の開け閉めが多いとしても、やはり夏場は冷蔵庫はひんやりしています。
夏場のように、どの場所も暑いなら冷蔵庫を冷暗所保存として活用しましょう。
野菜室があれば、冷蔵室より温度が控えめの野菜室で保存するのがおすすめです。
インターネット上でも、高温多湿時の冷暗所保存として野菜室を推しています。
野菜室は5~7℃に設定されており、冷暗所としてちょうどいい温度。
特に湿気が多くて蒸し暑い時期は有効です。
➁ キッチン上部・コンロ下の収納スペース
みなさん、お鍋や調味料などを入れていることが多いと思います。
うまく収納して、冷暗所として活用することが可能です。
温度も一定していますが、夏場や湿気が多い場合は、未開封やしっかり密封したもののみ保存を。
夏場の温度・湿気が気になる場合は、夏期はキッチン上部やコンロ下に食品・食材を保存せずに冷蔵保存するのが確実に品質を保てます。
③ 玄関
意外と冷暗所に向いている場所です。
ドアの開け閉めによって換気がされ、風通しがよくなります。
ただし、人の出入りが頻繁であることから、食品などを保存することで、玄関スペースを圧迫して生活の妨げにならないことが必須です。
玄関に収納BOXや棚など、スペースを追加するのもひとつの方法です。
④ 上記以外で冷暗所に適する場所は?
常に14℃以下の風通しのよい 直射日光の当たらない場所、これらを満たせば大丈夫です。
温度変化が激しくない場所を選びましょう。
夏は外気温、冬は暖房の影響で温度が変化しないところを。
これらの条件が満たされた場所として、
ベランダ、廊下、階段下・階段脇、ガレージがありますが、
季節によって影響を受けて温度や湿度が変化するならば、冷暗所としての保存は控えましょう。
ガレージは、屋根・シャッターつきはおすすめですが、収納したものを室内にもってこなければいけないという、面倒さがあります。
つねに常温以下で、光の当たらない場所を冷暗所となる場所を見つけて下さい。
冷暗所保存におすすめできない場所/3か所
次の3か所を冷暗所保存に向かない場所に挙げました。
- シンク・洗面下の収納スペース
- 冷蔵庫周辺
- 床下収納
なぜ冷暗所保存に向かないか?
ひとつずつお伝えします。
① シンクや洗面下の収納スペース
シンク・洗面の下部分は確かに光を遮ることができますが、お湯が流れるので温度が一定でなく、湿気も多くなってくる可能性もあります。
そのため、シンク・洗面台下スペースは、冷暗所としては向いていないです。
常温保存も温度変化を考えると控えたほうが理想です。
<関連記事>冷暗所保存と常温保存は違うの?常温保存についてはこちら。
➁ 冷蔵庫周辺も冷暗所に向いていない
家の間取りによっては、冷蔵庫の大きさなどによってデッドスペースができやすいので、冷蔵庫周辺の空スペースを収納や保存場所にされている場合もあるかと思います。
冷蔵庫周辺も温度に変化が生じやすいです。
冷蔵庫自体は、冷蔵庫内を冷やすために電力消費、放熱していますので、本体は熱を発しています。
そのため、冷蔵庫側面やドアの付近は温度が高いので、冷蔵庫周辺では、食品や食材の保存はおすすめしません。
常温保存も控えたほうがいいです。
③ 床下収納
床下収納は、建物の構造によって状況が異なります。
床下は、暗くて日光などの光が入らない場所ですが、温度や湿度が安定していない場合があります。
インターネット上では、冷暗所として床下収納が提案されていますが、私のこのサイトは、食品や食材をメインにしているので、食品や食材の冷暗所保存の場所として、床下収納はおすすめしない結論に。
(ご家庭の床下収納の設置環境によっては、冷暗所保存として十分機能している場合もあると思います。一般的には「食品保存用の冷暗所」としておすすめしないという方向性です。)
床下収納を冷暗所として、食品類の保存をおすすめしない理由は、
一般的に床下は、温度上がりやすく、湿気がこもりやすい。カビも生えやすい。
(近年、床下収納が進化しているかもしれませんが…。)
もし、床下収納を冷暗所として食品を保存するなら、ご自分の家の床下収納の四季を通じての状態を把握した上での活用が大切です。
床下は、特に梅雨の時期や夏場に状態が変化しやすいです。暖房器具が近くにある場合も影響を受ける可能性があります。
ちなみに、床下に入れるものは、しょっちゅう使わないもの・重くないものであること。
でないと、床下から出してくるのも、床下に戻すのも負担になります。
ちょうどいい冷暗所がない場合/自分で冷暗所を作る 簡単にできる!
ご家庭によっては、常にエアコンを使用していて温度変化がある所と、極端に暑い・寒いところしかない場合があったりします。
さらに、食品を保存するには使い勝手が悪いなど、思い通りの冷暗所が確保できない場合もあります。
お手製冷暗所、準備手順/①置き場所確保 ②冷暗所ボックスを用意 ③効果的に使う
① お手製の冷暗所を置くスペースを確保
置き場所は自由ですが、暖房をつけない場所、日光や明かりが当たらないところに置きます。
➁ 冷暗所用ボックスなど用意するもの
ふたつきボックスタイプの発泡スチロール
(クーラーボックスも可、ただし、野菜を保存する場合は排水穴のあるもの)
夏場は保冷剤
あれば大きめの保冷バッグ
発泡スチロールは断熱材ですので、暑さの影響を受けにくいです。
③ 使い方
冬はそのまま、夏は保冷剤を入れて温度調節します。
保冷剤もいろんなタイプのものがありますが、百均で売っているものや食品と一緒に入れてくる保冷剤でもいいです。
ただし、保冷剤が小さいと冷やす時間は少なくなります。
保冷剤は、底・側面に入れます。枚数は保存時間に合わせて調整を。
野菜を保存する時は、野菜の呼吸のために底の部分に何か所か穴を開けて保存。酸素不足にならずに野菜が長持ちします。
野菜は、くれぐれも保冷剤に直接当たらないようにして下さい。
保冷剤の上にのせる場合
- 野菜を新聞紙でくるんで冷たさから守る
- 保冷剤の上にアルミ保冷保温シートを置いてその上に野菜を置く
アルミ保冷保温シート、こんなのです。100均にも売っています。
発泡スチロールボックスがない場合
1⃣ 発泡スチロールボックスは、クーラーボックスで代用する
クーラーボックス内に水がたまったら、クーラーボックスのドレン(排水穴)から水を抜きます。
雨が降るところ、湿気がたまりやすいところに、クーラーボックスを置いて野菜を保存する場合
ドレン(排水穴)がないクーラーボックスでは、野菜の保存はしないようにしてください。 野菜にカビが生えます。
さらに冷暗所効果を長持ちさせるには…
ふたつきボックスタイプの発泡スチロールやクーラーボックスの中に、
- 保冷剤を入れる
(底とサイドに立てていれる。枚数は置いておく時間に応じて変える) - 大きめの保冷バッグを入れる
- 保冷バッグの中に保存するものを入れて口を閉じる。
100均グッズで一時的な簡易冷暗所
100均で売っている、使わない時は折りたためるソフト素材でできた「ソフトクーラーボックス」。
保冷力は、ハードタイプのクーラーボックスや発泡スチロールボックスには劣りますが、保冷剤の量や使い方によっては、一時的な冷暗所環境を作れます。
ソフトクーラーボックスは、持ち運びやすいバッグタイプのものもあります。
【冷暗所とは? 冷暗所の温度は? 】まとめ
冷暗所とは、14℃以下の風通しのよい 直射日光の当たらない場所。
冷暗所におすすめしない場所
- シンクや洗面下の収納スペース
- 冷蔵庫周辺
- 床下収納
冷暗所がない場合のお手製冷暗所は発泡スチロールボックスを使う
今どきの冷暗所で保存するものは、梅雨や猛暑の時期以外は、湿気を逃がせば常温でもまずまず日持ちするようです。
しかし、冷暗所保存のものは、やはり常温保存では風味などが落ちていくので、適切に冷暗所で保存したいですね。
毎日の食事…「 今日もいのちをいただきます。毎日食べられる幸せに感謝 」