スーパーで見かけるじゃがいも、いつもなんとなく買っていますが、スーパーでも2~3種類見かけますし、外食先では、ブランドじゃがいもを使ったお料理が提供されていたりします。
私たちが身近に扱えるじゃがいもって、はたして何種類あるのでしょうか?
そして、それぞれのじゃがいもの種類の違いは何なのか?
家庭科でちょびっと習ったような記憶がありますが、今後の自分のお料理のバリエーションを増やすためにも、ここにまとめてみました。
っていうか、じゃがいもを知っておいしいお料理を作って、おいしく食べたい、ただのくいしんぼうですが…。
じゃがいもの代表的な3種~メークイン・男爵・新じゃが
じゃがいもが品種改良されて、いまや100種類以上!(JRT日本いも類研究会による)
地域限定のものもかなりあるとか。
じゃがいも100種類のうち、市場に出回らず、お目にかかれないじゃがいももあると思いますので、私たちに身近でなじみのじゃがいもたちをひもときます。
それぞれのじゃがいもの歴史は、割愛しています。
では、じゃがいもの代表的な3種類をひもときます。
①男爵いも(だんしゃくいも)
一番日本で売られ、食べられていると言っても過言ではない男爵いも。
男爵いもは、日本で一番最初に品種登録されています。
ある経営者の男爵が、さまざまな種いもの試験栽培を経てじゃがいもを普及させたので、農家の人々が「男爵いも」と名づけたそうです。
男爵いもの特徴
形
丸っこくて、ごつごつとして、でこぼこ。
このでこぼこ、じゃがいもの芽のくぼみで、皮がむきにくいですよね。ピーラーなら大まかに皮をむいてから、ピーラーの刃の門でむけていないくぼみの部分をむきます。じゃがいものくぼんで皮をむきにくい部分、じゃがいもの芽が出ている時は、ピーラーの刃の門で芽をしっかり取り除きます。
中身・質
中は白っぽくて粉質タイプ。加熱すると粉質がホクホクとした食感になります。香りもお芋らしくておいしいにおいが感じられます。
ホクホク感があるため、粘り気がなく煮くずれしやすいです。
劣化しにくく貯蔵が効きます。
ただし、梅雨の時期に収穫された男爵いもは、味が落ち腐りやすいと言われています。
料理法
フライドポテト、ポテトサラダ、コロッケ、ベイクドポテトなど。
➁メークイン
男爵いもに次いで2番目に多く生産されているメークイン。関西への出荷が多い。
イギリス生まれのメークインは、イギリスの5月の村祭りで、村で一番美しい娘が女王に選ばれた事から、表面がすべすべで見た目が美しいので、5月の女王(May queen)と名づけられたと言われています。
メークインの特徴
形
細長く俵型でやや下ぶくれ。
男爵いもと違い、皮が若干薄めで表面がすべすべしています。芽の数は少なめでくぼみは浅い。
中身・質
中の色は、男爵いもよりもやや黄色っぽい粘質タイプ。メークインは、しっとりとした食感で舌ざわりもよく、ほんのりとした甘みがあり、少し温度の低いところで貯蔵すると甘みが増します。
他のじゃがいもと比べ、メークインは、芽に含まれる毒性のソラニンなどを多く含みます。
さらに日光に当たると表皮もメークインは緑化しやすいので、保存のしかたに気を配る必要があります。
糖質なので煮くずれしにくいメークインですが、強い火力で煮たり、食塩を添加したあとで加熱し続ける、何度も火を通すと煮くずれてしまいます。
また、牛乳で煮るとカルシウムイオンの作用により、水で煮るよりも硬くなってしまうので注意。
5月頃のメークインは、甘みが強いと言われています。
料理法
カレーやおでんなどの煮込み料理、グラタン、炒め物。揚げ物は糖分が多く、茶色にこげやすいので、揚げ加減の調整が必要。
新じゃがいも
3月頃から店頭に並び始める新じゃがいも。
鹿児島産など南の産地から収穫され、徐々に産地が北上して、6月後半になると北海道産の新じゃがいもがお目見えします。
新じゃがいもの特徴
形
粒じゃがいもと呼ばれるほど、新じゃがいもは小粒。
中身・質
新じゃがいもは、収穫が早いので小ぶりなものが多く、皮は薄くてやわらかくむきやすい。
水分を多く含みます。
メークインと同様粘質で、ねっとりとした食感。皮と中身、ともにビタミンCが多い。
貯蔵のじゃがいもに比べるとでんぷんは少ないので、ホクホク感や口の中でほろほろとくずれるやさしい食感は感じられません。
料理法
やわらかい皮がついたまま、丸ごといただくと旬を味わえます。
強くこすると香ばしい皮がむけてしまうので、たわしやスポンジで軽く表面の汚れを除きます。大きめの新じゃがいもは、皮ごとカットします。
新じゃがいもは、丸ごと加熱して濃い味つけとからめる、煮っころがしがおいしい。
新じゃがいもの淡白な味と合います。揚げ煮は、新じゃがいもの代表的な料理です。
水分を多く含んでいるので、形がくずれにくく、炒め物・煮ものにも適していますが、味がしみこみにくいのが難点。
ホクホク感を生かしたコロッケやポテトサラダも、新じゃがいもではまとまりにくいです。
みずみずしさとシャキシャキ感を楽しむために、新じゃがいもをせん切りにして調理するのもおいしいです。
参考:じゃがいもの産地
じゃがいもの産地は、北海道が有名ですが、南は長崎、鹿児島で収穫されます。
しかし、広大な大地で生産されている北海道産のじゃがいもが圧倒的で、全体の7~8割を占めています。
じゃがいもは、適度な乾燥と土の中の温度もほどよい環境を好むので、湿地と肥沃な土壌は向いていません。
北海道は、一年を通して涼しく梅雨もないので、ジャガイモにとって北海道は最適なのです。
若干ですが、静岡県や千葉県産のじゃがいももあります。
追加情報:じゃがいもがおいしいのは? 旬はいつ?
年中食べられるじゃがいもですが、じゃがいもの旬は、品種や産地によっても若干異なるようですが、一般的には5~6月の春の時期、9~12月の秋冬に収穫されます。
通常のじゃがいもは貯蔵がきくので、年中出回っていていつでも食べられます。
最近は、採りたての食材よりも、熟成させてあじわいに変化をもたせるものが増えています。じゃがいもも然り、品種によっては貯蔵して熟成させたものと、収穫直後と食べ比べられているようです。
収穫したてのおいしさはもちろんですが、熟成すると甘みが増す品種もあるらしく、研究されているようです。
新じゃがいもの旬は、大きく3~6月としている情報が多いのですが、新じゃがいもの場合は、春を感じる頃、店頭に並び始めたら十分旬と言えると考えます。
初春3月頃から出回るのは、長崎や鹿児島の九州産のじゃがいも、
夏に向かって徐々に収穫地は北上して、6月頃まで新じゃがいもが味わえます。
新じゃがいもは、収穫されると熟成させずにすぐに出荷をむかえます。
【 じゃがいもの種類(品種)・料理/男爵・メークイン・新じゃが】まとめ
普段食べ慣れている 男爵いもやメークイン、新じゃがいもについてお伝えしました。
男爵いも
- 粉質でホクホク感があるため、粘り気がなく煮くずれしやすい。
メークイン
- しっとりとした食感で舌ざわりもよく、ほんのりとした甘みあり。少し温度の低いところで貯蔵すると甘みが増す。
- メークインは、芽に含まれる毒性のソラニンなどを多く含む。さらに日光に当たると表皮もメークインは緑化しやすいので適切な保存を。
- 粘質により、煮くずれしにくい。
- 揚げ物調理は、糖分が多いので茶色くこげやすいので注意。
新じゃがいも
- 小ぶりで皮は薄くむきやすい。皮ごと食べられる。
- 粘質でねっとりした食感。ビタミンCを多く含む。
- 水分が多くみずみずしい。
- 煮くずれしにくいが、味もしみこみにくい。
- まとまりにくいのでコロッケやポテトサラダの調理にむいていない。
私は、ホクホクしたじゃがいもを食べたいので、料理方法問わず ついつい男爵いもを買ってしまうのですが、温度の低いところで貯蔵した甘みが増したメークインを食べてみたくなりました。
メークインは男爵いもよりも、皮がむきやすいですし。
実はついこの前、ピーラーで男爵いもの皮をむいていたら、勢いあまって手のひらもむいてしまいました (;^_^A
毎日の食事…「 今日もいのちをいただきます。毎日食べられる幸せに感謝 」